公益財団法人日揮社会福祉財団

神奈川県内の社会福祉活動を応援しています。


福祉作文コンクール

当財団では県社会福祉協議会と県共同募金会が主催する小・中学生を対象とした県福祉作文コンクールを後援しています。
この作文コンクールは次世代を担う子供達が助け合いや思いやりの心を育み、誰もがお互いを支え合う
「ともに生きる福祉社会」が実現するように願い、毎年行われているものです。
地区審査から県1次審査を経て、県最終審査で選考された最優秀賞16編(小・中学校各8編)の内それぞれ1編を当財団理事長賞として『ふれあい賞』の名称で表彰しています。

以下に2021年度表彰者の作文をご紹介致します。 

 

小学生の部 

「あの人に会ってから」 

伊勢原市立桜台小学校5年 岩﨑 仁子さん 

 

 私の家の前を時々、目の見えない人が通ります。白杖を持ったその人は、一本道をまっすぐに歩いていきます。 

 出会ったきっかけは、私と母が家の前にいた時、

「この先、車は停まっていますか。」と、尋ねられたことでした。

「ここから先、車は停まっていません。」 と、私は答えました。  

 よく思い出すと、その人は体の前に手をかざし、用心深く、車や何かにぶつからないように歩いていました。見えている世界に慣れている私は分からなかったけれど、視覚のない世界では、障害物が予想できないので、私が想像する以上に激しくぶつかって、ケガを負う可能性があるのかもしれません。

 その後も度々、その人に会いました。特に登校時にすれ違うことが多く、 

「おはようございます。車は、停まっていません。」 と、私は話しかけました。

「ありがとう。今日も暑いね。」

と、その人は笑顔で返してくれて、私はとても嬉しくなりました。

 私は、人と話すのが大好きな性格なので、友達が増えたような気がして、ウキウキしました。今まで、目の見えない人を見かけても、どこか別の世界のことと思っていました。しかし、目の見えないあの人に出会ってからは、身近に感じられるようになりました。

 周りを見ると、近所の人達はその人の手を肩にのせて誘導したりと色々な手助けの仕方があることも分かりました。目の見えないあの人に出会えたことで広がったこの世界で、私のできることを探し実行して、色々な人と助け合いたいと思います。

 

 中学生の部 

「社会の一員として支えたい」 

伊勢原市立伊勢原中学校3年 長谷川 千絢さん 

 

  部活を終え夕暮れ時に帰宅している時だった。交差点から一人で歩いていた私は、前の方の高齢の小柄な女性が独り、私の方に向かって歩いて来る姿を見つけた。夕暮れ時にしてもまだまだ蒸し暑い季節だったが、その女性は、季節に似つかわしくないニットの上着にウールの帽子を被られていた。

 ゆっくりと、でもはっきりと私の方を見て何か話されている。やがて私は会話を交わせる距離まで近づいた。 

 立ち止まった私に向かって、その女性は、この辺りでは聞いたことの無い駅名を言い、駅はどこかと言われた。近づいてから気付いたがその女性の靴はどう見てもサイズの大きい男性用の物をひっかけるように履かれていた。何か違うと私は感じていた。 

 私は何から話そうか迷った。この状況は、介護のテレビ番組を見た時、認知症の高齢者が、独り道に迷っている場面を再現し、どう対応するかを伝える内容の回があり、その内容と似ていたのだ。目線を合わせてゆっくり話しかけようとか、出来るだけ否定しないように聞こうとか、気持ちに寄りそった言葉掛けをしようなど、思っていても急には出てこなかった。実際行動に移すのは案外難しい。

 困っていたところ、帰宅途中の大人の方が状況を察して、私に代わって女性の話を聞き、携帯から警察に連絡して下さった。 

 新聞で認知症の行方不明者は年間一万七千人を超えると書いてあった。私の住んでいる自治体では防災行政用無線を使って依頼のあった行方不明者についての放送は随時されており、このことは日々身近で起きていることなのだと思った。 

 介護のテレビ番組を見ていたのは高齢者福祉施設で働く母の影響だった。特に興味がある訳ではなかったが、小学校低学年頃まで母の職場について行く事があり、何となく見ていた。 

 母に下校途中にあった出来事を話した所、認知症サポーターについての話と、そのことについて過去の新聞記事を見せられた。認知症サポーターとは、認知症について正しく理解し、偏見を持たず地域で認知症の人やその家族を温かく見守り、気持ちを理解し、出来る範囲で手助けする事が出来るよう受講し養成されるもので、大人でなくても受講出来るとのことだった。母の話では日常的に家族や仕事で支援者として関わっていても、なかなか正しく理解し接することは難しく丁寧に接することが難しくなる時もある。どんな人にも受講の意義があるし、人口の高齢化が加速して支える人が減る一方の現代、家族や介護施設だけでは支えきれなくなってしまう。社会全体で支えていけるように、普段あまり接する機会がない人が受講する機会が増える事はもちろん良いと思う、と話していた。私は新聞記事であったような学校での出張認知症サポーターの講座があれば、これからの高齢者社会を担う私達の知識の一つとして不可欠なものになるのではと思った。 

 現代、ネット社会となり顔認証システムを用いたネットワークカメラの普及などシステム設置や設備の普及も多く進んでいるとの事だ。居場所認証も出来れば探しやすくもなると思う。ただ、機械がどんどん普及していっても、私が下校時に出会った駅を探していた高齢の女性の方に対応して下さった方の様に、人が関わらないと助からない場合もあると思う。私も知識を行動に移せる、社会の一員として成長したいと思う。

 

◆ 過去3年間のふれあい賞表彰者のお名前   

2020年度は新型コロナウィルス感染症の影響により開催が見送られました。

2019年度

小学生の部「おばあちゃんとのりょこうと車いす」
      伊勢原市立緑台小学校 1年 安倍 花怜 さん
中学生の部「僕と福祉とヘルプカード」
      伊勢原市立伊勢原中学校 1年 細田 伊織 さん
2018年度

小学生の部「オストメイトって何?」
      厚木市立愛甲小学校 6年 杉山 美月 さん
中学生の部「憧れの職業に」
      南足柄市立南足柄中学校 3年 奥津 ひな さん


Copyright (C) 2014 (公財)日揮社会福祉財団All Rights Reserved.
〒220-6001 横浜市西区みなとみらい231 日揮()17階  TEL 045-682-8766 FAX 045-682-8175